漫画「四月は君の嘘」レビュー。ほろ苦いピアノと青春。間違いなく歴史に残る名作。

最近、なんとなく「四月は君の嘘」が読みたくなって、全11巻を読み返してみました。見事なまでのヲタクの休日の使い方ですね(笑)

一時期ほどではありませんが、私は年間かなりの数の漫画を読みます。そんな私が、この数年の間に読んだ中で、最も面白いと感じ、そして感動した漫画がこの「四月は君の嘘」だと思います。今回は、その「四月は君の嘘」をレビューしたいと思います。

この漫画は2014年にアニメ化もされていますので、まずはそのPVを紹介しましょう。

「四月は君の嘘」第二弾PV

一般的に、漫画をアニメにすると、微妙に違和感があったり、面白くあっても「別物」になってしまうことが多々あるのですが、この「四月は君の嘘」のアニメ化は私的にパーフェクトでした。作品の雰囲気をそのまま表現し、さらにその完成度を高くしたと思います。
 

「四月は君の嘘」は新川直司さんによる漫画で、月刊少年マガジンで2011~2015年に連載されました。全11巻。ピアニストの主人公・有馬公生と、破天荒なバイオリニスト宮園かをりの成長と恋心を描いた作品です。

<四月は君の嘘 あらすじ>

プロのピアニストを母に持つ有馬公生は、どんなピアノコンクールも圧勝し、「神童」と呼ばれる小学生だったが、母の死と同時に、そのショックで自分が弾くのピアノの音が聞こえなくなってしまい、ピアノから離れていく。しかし、その3年後、14歳になった有馬公生は、バイオリニスト・宮園かをりと出会ったことで、再びピアノと向き合うこととなった。

ピアノをやっていた時代、あまりの正確無比な演奏から「ヒューマンメトロノーム」と揶揄されていた公生だが、宮園かをりの自由奔放なバイオリンの演奏に魅了される。そして、自分のバイオリンの伴奏者を務めて欲しいとかをりに懇願され、嫌々ながら出場したコンクールで、やはり音が聞こえなくなってしまうが、それを乗り越えて完奏し、かをりと2人で拍手喝采を浴びたことから、音楽の新しい価値観に目覚める。そしてそれは、ほろ苦い1つの恋の始まりでもあった・・・・
 
序盤だけのあらすじですが、こんな感じのストーリーです。自分の中に深い闇を抱えた有馬公生は、宮園かをりに振り回されながら、ピアノの世界に戻っていくのですが、物語が進むに連れ、宮園かをりの心の中にも闇が存在することがわかってきます。そんな中で、2人やそのライバルたちがいろいろと葛藤しながらも互いを成長させていくところがこの作品の見所になります。

特に主人公・有馬公生が葛藤の中でコンクールの演奏を開始し、最初はダメダメなんだけど、その演奏の中で新しい自分を見つけて、最後に拍手喝采を浴びるシーンはものすごいカタルシスです。何度読んでも鳥肌が立ちますね。

全体を通してもの悲しいテーマが背景にあるのですが、独特な明るい作風によって、爽やかな青春ストーリーに仕上がっています。行き当たりばったりではなく、十分に構想を練ってから描き始めたことがわかる完成度の高さで、ピアノや楽器が好きな人もそうでない人も、みんなが楽しめる漫画です。

決してハッピーエンドとは言えませんが、読了感は悪くありません。むしろ爽やかです。このあたりは作者である新川直司さんのファインプレーですね。間違いなく心に残る、そして歴史に残る名作です。自信をもってオススメできますので、是非読んでみてください!

p.s.
「四月は君の嘘」というタイトルの意味がよくわからないまま話が進むのですが、最終回で「なるほど」となります♪

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